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八女・黒木産地の魅力

奥八女黒木町とは

奥八女黒木町の風景

八女市黒木町は福岡県の南端部、福岡市から南東へ約50kmの筑後地方に位置しています。山々も程近く、筑後地方は内陸部にあり、黒木町の南側は熊本県と県境になっています。
近くには矢部川の上流と笠原川が抜け、山と緑と水も美しい町です。
黒木町は南北朝期、南朝方として活躍した黒木氏が猫尾城(黒木城)を本城とし、勢力を振るった城下町でした。その後、歴史を経て城下町で無くなり在郷町として発展、九州山地の中にあり山がちな盆地のため、お茶をはじめ、巨峰などの果実、奥八女の物産を多く生み出しています。

黒木大藤

町内には日本一ともいわれる樹齢610余年の歴史を誇る国指定天然記念物「黒木大藤」があります。新茶も出回る4月下旬から5月上旬には黒木町の大藤まつりが開催され、地元をはじめ県外からも多くの観光客で賑わいます。

八女茶発祥の地、黒木町霊巌寺

霊巌寺(れいがんじ)

霊巌寺(れいがんじ)は福岡県八女市黒木町笠原に所在する臨済宗妙心寺派寺院です。開山は八女茶の起源をつくった栄林周端禅師。境内一帯の奇岩は福岡県指定天然記念物となっています。八女茶のはじまりは、「太宰管内志」において、応永30年(1423年)に栄林周端が、霊巌寺を建立するとともに、お茶の栽培を伝えたのが由来とされており、ここ黒木町が八女茶発祥の地とされています。

九州の気候と緑茶づくり

黒木町の風景

九州は温暖、多照な気候に恵まれています。温暖な気候から野菜・果樹等の多様な農産物の生産が可能であり、その中に緑茶の栽培も盛んといえます。

九州は緑茶の産地として全国2位を誇ります。南は鹿児島県、宮崎県、熊本県、長崎県、佐賀県、福岡県に有名な緑茶産地を持っています。
九州の温暖な気候は、良質で、生産効率のいい緑茶の栽培に適しているといえます。
温暖で、雨量が多く、水はけの良い土壌や、高い湿度、日照、山間部や盆地などでの日格差の高さ、霧の多い地域であるなどの条件が緑茶の栽培に好条件となってきます。
また、九州のお茶は、多品種であり、様々な天候風土土壌の条件にあった茶栽培をしているため、年間を通じて良質な茶原木から効率的な高生産量を図れます。

高級茶葉生産、伝統本玉露の生産が日本一の八女地方も茶の生育に関る気候が日中の気温は高く、夜間は冷え込む特有の内陸性気候。また年間1,600mm-2,400mmの降雨量があり、茶の栽培に適しているといわれています。

九州のお茶の種類

福岡県 八女茶(八女煎茶をはじめ、甘みとまろ味の本玉露が有名)
佐賀県 嬉野茶(釜炒り玉緑茶、カマグリ茶が有名)
長崎県 そのぎ茶
熊本県 矢部茶
宮崎県 五ヶ瀬茶
鹿児島県 知覧茶 志布志茶

八女茶(福岡県茶業振興推進協議会記述より)

八女茶の特徴

福岡県で生産するお茶は「福岡の八女茶」あるいは「八女茶」と呼称されています。

筑紫平野南部(八女地方)は、地質的に筑後川と矢部川の両河川から運搬された土砂(腐葉土)が交互に堆積した沖積平野からなっており、栽培されるお茶は官能審査においてコク、甘みを強く感じるものが多いといわれています。霧(朝霧や川霧)の発生しやすい土地柄でもあり、茶畑があるなだらかな山の斜面を霧が覆い太陽光を適度に遮ることで、茶の旨み成分であるアミノ酸類(テアニン、グルタミン酸、アルギニンなど)の生成を促進し、古くから天然の玉露茶として珍重されてきました。

茶葉

八女茶は一番茶の摘採が4月中旬に始まり、5月上旬に最盛期となります。二番茶が6月中旬から7月上旬、三番茶が7月下旬から8月上旬に摘採されます。福岡県では8月上旬までに三番茶の摘採が終われば、秋の生育停止期までに越冬する枝葉が充実し硬化します。平坦部の茶園は8月上旬までに三番茶の摘採が可能となるが、二番茶まで摘採して三番茶を摘採しない茶園がほとんどです。この理由としては、秋整枝面の芽数を少なくし枝葉を大きくしっかりしたもの(芽重型)としたほうが、芽数が多く小さい枝葉の芽(芽数型)より、一番茶の品質がよくなるからです。
芽重型の芽を摘採したら、よく蒸し(深蒸し)てお茶を作ります。出来上がったお茶を急須で淹れるとグリーンになり、「あまくてコクがあり旨みの強い美味しいお茶」が八女茶の特徴です。また、福岡県は高級玉露の産地として知られていますが、玉露は八女市山間部の黒木町、上陽町、星野村で生産されています。玉露の被覆は化学繊維で織ったネットが多くなっていますが、八女の伝統本玉露は昔ながらの稲わらを使用して被覆を行っており、全国茶品評会で10年連続で農林水産大臣賞と産地賞を獲得しています。

八女茶の由来

お茶の原産地は中国雲南省といわれ、日本へは唐の時代に中国より仏教修行の僧侶たちによって伝わりました。
国産の茶生産は、1191年中国の宋に学んだ僧・栄西が、筑前背振山に茶種を播き、博多に聖福寺を建立し、境内にも茶を植えたのがはじまりとされています。
その後、この茶の種が、山城宇治、伊勢、駿河と広がり現在の茶産地となっています。
八女茶のはじまりは、僧周瑞が1423年(応永30年)に霊巌寺を建立するとともに、お茶の栽培を伝えたのが由来とされています。